「隣の芝生は青く見える」とは、本当によく言ったものだなあと、
最近、つくづく思います。
きっと誰しもあるでしょ、隣の芝生が青く見えたこと。
「あの人、痩せてていいなあ」とか、
「あの人、モテてていいなあ」とか、
「あの人、金持ちでいいなあ」とか、
もう、キリがないのね。
でも、自然に出てきちゃうんですよね。
「うらやましい」って気持ち。
「おなかすいた」と同じくらい自然な気持ちだと思ってます。
ボクもね、もうしょっちゅう出てきますよ。
おなかがぐーぐーなるように。
「背が高くていいなあ」とか、
「足が長くていいなあ」とか、
「元気そうでいいなあ」とか、
「鼻が高くていいなあ」とか、
「もはや全部いいなあ」とか
「うらやましい」であふれてます。
でも、なんか「うらやましい」って嫌われがちな気持ちですよね。
なんていうかね、みっともないというか。
そんな感じで、ね。
ボクも、「うらやましい」と思っちゃう自分を、
「ああ、ヤダヤダ」って思ったりしてます。
でもね、「うらやましい」は悪くないんですよね、よく考えると。
「うらやましい」に罪はない。
隣の芝生が青く見える事だって、悪いことじゃない。
だって、青く見えるんだもの。
「青く見るな、赤に見ろ」っつったって、ねえ。
だって、自分の芝生は毎日毎日見ていて、もう見慣れてるんだから。
なんなら見飽きてるんだから。
で、青く見えた後、自然に行きつく気持ちとして、
「それに比べてウチのは…」ってやつね。
これもね、よく分かります。
自然とそうなるんだ。
でも、こんな風に思えたら素敵だなあって、いつも思う。
「それに比べてウチは…………ん?なかなかいいじゃん、ウチの芝生もさ」
電車の席に座っている、お向かいの男性。
「あ、塩顔男子じゃん。いいなあ、あっさりしてて。すずしい顔してるよなあ。モテんだろうなぁ。塩っぽくなりてえなあ。」
と、唇が分厚くて、賑やかな顔したボクは思うわけです。
でもね、もしかしたら、もしかしたらだよ?
いや、ほんとうに「もしかしたら」だから。
お向かいの塩顔男子は、
「うわ、前の人、ぱっちり二重ではっきりした顔立ちしてんなあ。唇もポテっとしてるわ。『かわいい〜』とか言われんだろうな、ああいう顔って。なんかのマスコットみてえだもんな。いいなぁ、オレ、あっさりしてて味気ねえよなあ。」
って思ってるかもしれないよ。
「かもしれない」よ。
隣の芝生は、青く見えるんだけどもさ。
自分の芝生もね、青くはないかもしれないけど、
よくよく見たら、「なかなかいいもんだ」って思うかもよ。
結局、みんながお互いに「あの芝生は青いなあ」って言い合ってるのが、
世の中だったりしてね。
今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。
昔、ボクを見て「顔がうるさい」って言い放った友達がいたけど、的確すぎて未だに感心している。