ツマとムスメとウツボク

いきるってたいへん。でも、すばらしい。

「HSP」とボク

「HSP」という単語を目にしたことはあるだろうか。

Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略である。

 

日本語に訳すと「高い感受性を持つ人」だろうか。

 

HSPの大体の概要は知っていたが、今日、たまたま、目にする機会があり、

少し調べてみたところ、驚くほど自分に当てはまっていたのだった。

 

この方のブログが、HSPについてよくまとめられているので、ご参考まで。

kiraku-infomation.com

 

HSPについての内容は、ここでは詳しく触れないが、

自分がHSPに該当するかどうかのチェックリストというものがある。

あくまで「目安」としてだが、以下に紹介してみたい。

 

  1. 人の気分に左右されやすい
  2. 大人数の飲み会や集まりが苦手で、いつも居心地の悪さを感じる
  3. 急な予定変更にパニックになってしまう
  4. 疲れやすく、1人の時間が欲しいと感じる
  5. 友達が狭い範囲に少ししかいない
  6. 人の輪に上手に入っていくことができない
  7. 好きな人や友達、職場の人などに本音で話せない
  8. すぐ人を好きになったり、相手に依存したりしてしまう
  9. 職場で周りの目が気になる
  10. 小さなミスにも激しく動揺する
  11. 一度に複数のことができない
  12. ミスが怖くて仕事に時間がかかる
  13. 仕事を頼まれると断れない
  14. 怒っている人やトラブルを見ると落ち込む
  15. 同僚との雑談や表面的な会話が苦手
  16. 仕事で注意されると、自分が全否定されたような気になる
  17. 人混みで疲労困憊する
  18. いまの仕事が向いてない気がして転職を繰り返してしまう
  19. 体調がすぐれないことが多い
  20. ちょっとしたことで落ち込みやすい
  21. 職場異動や席替えなど、環境の変化にうまく対応できない
  22. 相手が望むとおりにしようとして疲れてしまう
  23. 時間にいつもギリギリ、もしくは遅れてしまう
  24. 自分で決めるよりかは他人に決めてもらう傾向がある
  25. 結果を出そうと頑張りすぎてしまう

ちなみにボクは、かなり当てはまった。

だからと言って、「自分はHSPだ…」と断定するのは早計だし、

そもそも、HSPは病気でも、障がいでもない。

「特性」であり、「個性」なのだ。

 

気になった人は、上記のサイトを覗いてみるとよく分かる。

しかも、5人に1人がHSPだと言われている。

決して、特別な事ではないのだ。

 

しかしながら、HSPの傾向にある人(と言いながら、もうボクは自分がHSPだと思いこんでいる)にとっては、社会に適合していくのは容易ではない。

 

上記の、25個のチェックリストを眺めると、それがよく分かる。

 

ボクは、こどもの頃から、よく人の顔色をうかがっていた。

別に、親から抑圧的な態度を取られ、怯えていたわけではない。

 

むしろ、たっぷり愛情を注いでもらったと思っている。

もう、そういう性格だったのだと思う、当時から。

 

場の空気を読み、ひとりひとりの顔色をうかがい、自分の出方を見定める。

この字面を見ただけで肩が凝るし、もはや「こども」ではない。

 

歳を重ねると共に軟化してきたが、「人の目」もよく気にしていた。

「人に嫌われること」を極度に恐れていた。

 

幼少期から今までを振り返ると、そんなエピソードがたくさん想起される。

今思うと、本当に疲れる生き方をしてきたなと思うし、よく生きてきたなと。

 

「気にしすぎだよ」

 

この言葉は、何回言われたか分からない。

分かっているのだが、気にしないようにするのだが、それは無理なのだ。

気にしない人間に「気にしろよ」と言うのと同じように無理だ。

 

今だって、まだまだある。

 

そもそも前提として、お酒を飲まないことがあるのだが、

ボクは、いわゆる「飲み会」があまり得意ではない。

特に人数が多ければ多いほど。

 

みんなと楽しくおしゃべりしたり、騒いだりすることは、

決して嫌いではないが、終わった後、ドっと疲れる。

間違っても「気分転換」などにはならない。

 

だから、お金を払って、お酒も飲まず、わざわざ疲れに行こうとは思えないのだ。

 

また、これは良い悪いを言っているわけではないが、

「浅い話」をすることに疲れてしまう。

 

人数が多ければ多いほど、話題は当り障りのないものになる。

多ければ多いほど、「浅い話」になるのだ。

 

それが楽しいと思う人もいるので、否定するつもりは全くないが、

自分はどうもそれについていけず、疲労困憊してしまう。

 

それよりも、ひとりの人と、二人きりでゆっくりとおしゃべりをする方が、

もう全然好きである。もちろん、男女問わず。

 

とまあ、いくつか他にも例をお話しようと思ったが、

ちょっと予想よりも、かなり長くなりそうだし、なんというか、

ボクのカミングアウトトークが延々と続くのもちょっと苦痛な気がするので、

この辺にして。まだまだあるよ、エピソード。という事だけお伝えしときます。

 

「社会適合」という側面だけで見れば、

HSPの傾向にある人には生きづらい世の中なのかもしれない。

なぜなら、社会は、HSP傾向の人たちが心地よく過ごせる環境とは言い難い。

 

しかし、HSP傾向の人たちが持つ「特性」は、決して悲観するものではない。

物事は表裏一体で、むしろ、「傑出した能力」としても捉えられる。

 

例えば、

 

小さいことが気になってしまうのは、裏を返せば、

何事も慎重に、丁寧に行えるということでもある。

 

人の目が気になり、顔色をうかがってしまうのは、裏を返せば、

周りの人の感情や変化に敏感で、察する力があるとも言える。

 

大勢が苦手で、ひとりの人とじっくり話すのを好むのは、裏を返せば、

人と深い関係性を築くことが出来るという能力でもある。

 

と、少し考えただけでも、胸を張って生きていい特質がたくさんあるのだ。

その素敵な個性を、生きづらい社会の中に埋没させてしまうのは、

とても、とても、もったいないし、残念なことだ。

 

本当は、もっとキラキラと自由に羽ばたいて、社会で輝けるのに。

多くの人を救ったり、感動させる力を持っているのだ。

 

と、ここまで書いておいてアレなのですが、ボクが書いたことを、

もっともっと分かりやすく伝えてくれている動画がある。

 

むしろ、これを観てもらった方がいいし、事足りる。すんません。

 

「TED」という番組をご存じだろうか。

色んなジャンルの第一線で活躍している人が15分ほどのスピーチをするのだ。

ボクはこの番組が好きで、気になるトピックがある時は、時々観ている。

 

2017年7月9日に、エレナ・ハーデッカーホフという女性がスピーチをしている。

エレナさん自身も、HSPなのだ。

 

百聞は一見に如かず、15分程度なので、もしよければ観てもらいたい。

※日本語字幕がついてます

www.ted-ja.com

 

ボクは、今日、HSPについて改めてじっくり調べ、

自分がこんなにも当てはまっていることに驚愕したが、

実は、同時に安心もした。

 

まだまだ、どこかで「社会にフィットしきれない自分」を、

ちょっとだけ責めていたことに、気が付いたのだ。

 

そして、自分のネガティブな面と思っていたものは、

実は、とっても素晴らしいポジティブに変換されることを再認識した。

 

相変わらず、生きにくさは変わらないし、疲れる生き方を続けるのだろうが、

これが「ボク」であるし、「ボク」だから出来ることもあるのだと。

 

なんというか、良い意味で開き直れた気がするのだ。

また明日から、自分らしく、一歩ずつ歩き出そうと思う。

 

今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。

 

「敏感」とか「繊細」って、ネガティブなイメージ強いけど、そんなことないんだぞう。

 

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち

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