ツマとムスメとウツボク

いきるってたいへん。でも、すばらしい。

「その奥には人がいる」とボク

ちょっとホラーっぽいタイトルになってしまったが、違います。

 

ボクは、ウツに気に入られるぐらいなので、

人一倍、感受性が強くセンシティブな面を持っている。

と、自分では思っている。

 

「人の気持ち」にも敏感だ。

 

勝手に気をもんで、勝手に疲弊するなんてことはしょっちゅうある。

でも、もうこれはボクの一部であり、性格なので仕方がない。

 

良い方向に活かすのが得策だろう。

 

しかし、世の中は、タフでハードでシビアな面を持っている。

 

人の気持ちがないがしろにされ、

利益や効率が重視されるケースはたくさんある。

 

特に、仕事をしているとそう感じる機会は多いかもしれない。

でも、会社が存続するためには利益をあげなければいけないし、

効率をあげなければ、どんどん時間とコストはかかっていく。

 

人ひとりの意見をいちいち尊重している暇などないし、

そんな必要もないのかもしれない。

 

ある時期、ボクは転職を考えていた。

いろんな人の知恵や経験を借りながら、自分なりにも色々調べていた。

 

そんな時、このサイトを紹介してもらった。

www.sodateru.co.jp

『日本でいちばん大切にしたい会社』という書籍に掲載された企業を、

わかりやすくまとめてくれている。

 

当時、ボクは「働く」ということについて深く考えていたので、

夢中になって、この記事を読み漁った。

 

本当に様々な企業があった。

そして、色んな価値観を持った経営者がいる。

 

何十社という数の企業が掲載されていたが、そのすべてに目を通してみて、

揺るぎないひとつの共通点を、自分なりに見つけた。

 

それが、「その奥には人がいる」ということだ。

 

利益を上げるのは、会社が存続する為であり、

会社が存続するのは「人」の為である、と。

 

紹介されていた多くの企業は、

会社の経営の奥に、

日々の仕事の奥に、

「人」をきちんと見据えていた。

そして、何より「働く仲間」を大切にしていたのだ。

 

ボクは、10代の頃、苦い経験をした。

今でもよく覚えているし、今後も決して忘れることはないだろう。

 

当時、仲間内で、あるイベントを計画することになった。

ボクは、メインメンバーではなく、限りなくサポート側だったが、

一応、運営メンバーに入っていた。

 

コストがかかるようなイベントだったので、有料チケットを準備し、

イベントに参加する人には、チケットを購入してもらう事になった。

 

自分も、一応、イベントを運営する側にいたので、

チケットを売らなければならなかった。

 

もちろん、イベントはとてもおもしろいものになると思っていたし、

たくさんの人に参加してほしいと思っていた。

 

しかし、今もそうだが、「何かを人に売る」ということが、

あまり得意ではなかったのだ。

 

ノルマで、数枚のチケットを売る必要があったが、

イベント直前まで、まったく売ることが出来なかった。

 

もういっそ、自分が全部買い取った方がラクだな、とも考えた。

 

最後の頼みの綱で、親友に声をかけた。

事情を話し、イベントに来てくれないかと。

 

しかし、彼は悲しい目をしながら、怒ってボクにこう言った。

 

「おまえはさ、オレにイベントに来てほしいの?

それともさ、チケットさばくためにオレに頼ってんの?」

 

ハッとした。

 

彼には、完全に見透かされていた。

イベントに来てほしいんじゃない、この窮地を助けてほしかったのだ。

 

もし、ボクが逆の立場だったら、「いいよいいよ」と言って、

仮にイベントに行けなくても、チケットを買ってしまうだろう。

 

でも、彼は違った。

 

「オレ達の友情ってそんなもんかよ」

 

と、ボクにぶつかってきてくれた。

目が覚めた。

 

そう、チケットを売るために、彼がいるのではない。

 

「君が大切だから、本当にイベントに来てほしい!

いっしょに楽しみたい!だから、チケット買わない?」

 

が、筋だったと、今は分かる。

 

彼が、ぶつかってきてくれたことを、

ボクは生涯忘れないし、感謝し続けるだろう。

 

本当に大切な人生の教訓を学ばせてもらった。

それと、真の友情の在り方も。

 

今も、時々、間違いそうになる時はたくさんある。

だって、日々の生活にはそんなことが溢れているから。

 

でも、そんな時はちょっと立ち止まって、彼との経験を思い出す。

 

目先の物事に捉われていないか。

 

そして、

 

「その奥には人がいる」ことを見失ってないか。

 

忘れてはいけない。

 

すべての物事は、「生きとし生けるもの」のためにあるのだから。

 

今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。

 

ボクが甘いものを食べず、「いいよ、パパの分あげるよ」と言われるのを理解した上で、「ぱぱにくっきーあげてくる!」と、ツマから自分の分プラス、エキストラのクッキーをもらい、「やっぱり、ぱぱいらないってー」と、エキストラのクッキーを上手いことくすねるムスメは、ボクを「ダシ」にクッキーを余分に手に入れる術を身に着けている。「その奥に」クッキーしか見えていない。

 

日本でいちばん大切にしたい会社

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