ツマとムスメとウツボク

いきるってたいへん。でも、すばらしい。

「おむかえにきて」とボク

字体も相まって、思いのほか不気味なタイトルになってしまった。

 

さてさてさて。

 

今年は、どういうわけか随分と体調不良が長引いている。

もどかしい日々が続いておりんす。

 

いつも思うことだが、

自分ひとりならいいけど、家族にも影響を与えていること。

悪いなあ、と思ってしまう。どうしてもね。

 

ブログでも書いているが、

ツマは、ムスメたちを連れて、よく外に遊びに行ってくれている。

最近は、グッと寒くなってきたのでタイヘンだろう。

 

我々は、エレベーターのないアパートの3階に住んでいる。

もうみんな、慣れてしまったが、最初の頃は上まで登るのはなかなか大変だった。

 

結婚してすぐに住み始めた場所。

今月で、6年目に入った。

 

最初は、ツマとふたりで登った階段。

 

そのうち、ツマのオナカが大きくなり、ゆっくりゆっくり登るようになった。

 

やがて、ムスメが産まれ、ムスメを抱っこして登るようになった。

 

しばらくすると、ムスメは歩き出し、ムスメと手をつないで登るようになった。

 

ムスメがひとりで登れるようになった頃、ツマのオナカが大きくなった。

また、みんなで、ゆっくりゆっくり登るようになった。

 

コムスメが産まれ、

ひとりはコムスメを抱っこし、ひとりはムスメと手をつないで登るようになった。

 

そして今年、ボクはほとんど階段を登っていない。

 

毎日、ツマがコムスメを抱っこヒモでおんぶし、ムスメと一緒に登る。

まいにち、まいにちだ。

 

どんな気持ちで登っているのかな、ツマは。

 

数か月前から、ツマたちが遊びから帰ってくると、

ボクの携帯に電話が入るようになった。

 

「(ムスメが)下まで迎えに来て欲しいって言ってるんだけど…」

 

なんかあったのかと、小走りに下まで降りていくと、なんてことない。

ムスメは元気な顔をしている。

 

そうか。ただただ、迎えに来てほしかったのかもな。

 

その日は、重くなったムスメを抱っこして、

久しぶりに「4人」で階段を登った。

 

それからというもの、毎日のようにボクの携帯には着信が入るようになった。

「おむかえコール」だ。

 

ときどき、「ああ、めんどくさいなあ」と思うこともあるし、

寝てしまっていて気づかないこともある。

 

でも、日々のツマの献身と、ムスメのなんともいえない気持ちを考えると、

ボクのカラダはゆっくりゆっくり動き出すのだ。

 

「おむかえ」なんて言える距離じゃない。

ただ、階段を3階分おりるだけだ。

 

でも、ボクが現れた時の、ムスメのなんともいえない表情が愛らしい。

 

普段、一つ屋根の下にいながら、満足に遊んであげられない事が多い。

いつも不甲斐なく思っている。

 

でも、ムスメは、この「おむかえ」の時間だけでも、

ボクを「パパ」にさせてくれているのかもしれない。

 

短い距離、短い時間だけど、抱っこさせてくれているのかもしれない。

 

階段を登る間は、いつだって「家族4人」だ。

そんな「かぞくのじかん」を、ムスメがプレゼントしてくれているのかもしれない。

 

今日、ムスメを抱っこしながら、そして、4人で階段を登りながら、

そんなことを考えていた。

 

ムスメ、ありがとうね。

 

今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。

 

そう言ってもらえるうちがハナですわね。

 

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