日々、ムスメとコムスメに学ばされることが、本当に多い。
育てているようで、育てられている。
本気でそう思うようになった。
ムスメは割と、さっぱりとした性格だ。
今のところ。
ボクに、あんまり似ていない。
男らしいところがあるのだ。
ツマ似でしょう。
まだ5年少々で「夫婦円満のヒケツ」なんて語るのはおこがましいが、
あえて言うとしたら、
「男らしい妻」と「女々しい夫」の組み合わせは、
割と上手くいくのかもしれない。
かも、しれない。
話を戻します。
そう、ムスメのことについて。
コムスメが産まれてから、いわゆる「赤ちゃんがえり」をするかなあと予想していた。
なので、ツマとボクは、コムスメよりもむしろ、ムスメのケアが大切だと考えた。
なにをもって「赤ちゃんがえり」と言うかは、それぞれかもしれないが、
見ていると、やはり、ムスメなりの苦悩がありそうである。
こちらも気を付けていても、ついつい、コムスメばかりにかまってしまう。
ムスメの時は、なんというか、可愛がる余裕なんてあんまりなく。
「はじめて」だらけで、いっぱいいっぱいだった。
微妙に余裕が生まれた今、もうコムスメが可愛くて仕方がない。
「下の子は甘やかされる」というのが分かる気がする。
「いやあ、コムスメはかわいいなあ~。」
と、無防備に目尻を下げていると、微妙な視線をムスメから感じる。
「まあ、ムスメが一番かわいいんだけどね!」
取って、付けている。
ボク自身も、男二人兄弟の長男なので、おおよその気持ちは理解してるつもり。
というか、ボクの方が全然ひどかった。
弟は5つも歳下なのに、なかなかの焼きもち焼きだったと思う。
母の注意をひきたくて、わざと弟にちょっかいを出してみたり、
「どうしたの?」と言われたくて、わざとスネてみたり。
スネの部分は、残念ながら今現在も完治していない。
定期的にツマを困らせている。
ごめんなさい。
当時、ボクが中学生の時に、家で犬を飼うことになった。
母の友人が飼っている犬が出産をし、その一匹を迎え入れることになったのだ。
家の中で一緒に生活していたので、
犬と過ごす時間が多くなるのは、必然的に母になる。
母は、犬をとっても可愛がっていたし、きちんとしつけてくれていた。
もちろん、父もボクも弟も、それぞれなりに可愛がったし、
実際、とてもとても可愛かった。
たいせつな家族だ。
が、次第にお互いの生活に慣れ始め、犬の中に「家庭内勢力図」が構築され始める。
犬から見ると、
①母
②自分(犬)
③④ボク、弟
⑤父
になっているのは薄々感じていた。
忙しくて、たまにしか帰れない父のことは、完全に見下していた。
たまに吠えられてたし。
そんな13歳のボクの心が「母をとられた」という、
「犬」へのかすかな嫉妬心を感じた時、愕然とした。
犬に焼きもちを焼く、中学生。
マザコンもはなはだしい。
じゃれてきて、「カプッ」とされた時は、
「いて!いててててて!かまれた!かまれた!あーーー!かまれたよ!
血出てる!?ねえ、血、出てる!?」
血なんて出るわけないだろう、甘噛みなんだから。
全然痛くないのに、母への「僕を見て」アピール。
その剣幕、タチの悪い「当たり屋」のごとし。
ボクの黒歴史です。
いや、こんな話をしたかったんじゃない。
つまり、上の子が下の子に嫉妬する気持ち、分かりますよ。
ということです。
だから、ボクはムスメの気持ちに敏感なのかもしれない。
同じ「上の子」として。
幼い頃の当時、「嫉妬心」なんて自分で認識していなかった。
ムスメも、きっとそうだろう。
自分で座って食事が出来るのに、最近、「おひざにすわりたい」と、
ツマやボクのひざの上で食事をしたがる。
「もう、おねえさんなんだから…」
と、言いそうになるが、
こういう「あまえ」で、ムスメは心のバランスをとっているのだろうな、と思う。
ひとりでゆっくり食べたい日もあるし、
ひざにのせるのがしんどい日もある。
うっとうしいなあ、自分で食べてくれよお。
と思う日もある。
でも、出来るだけ、出来るだけ、ひざにのせてあげたいと思っている。
「のりたい」と言ってくれているうちは。
いずれ、のってくれなくなるのだから。
今朝、ムスメが、
「ねえ、おとこのこってやさしいの?」
と、唐突に尋ねてきたので、
「え、なんで?」
と聞き返すと、
「だって、パパはやさしいから。」
と、なんとも泣ける返しをしてきた。
「そうかなあ、パパは優しいかなあ?」
「優しさ」を取ったら何も残らないボクは、ハニカミながら聞いた。
「うん。だって、だっこしてくれるもん。」
ムスメは、よく「パパ、だっこして~。」と言ってくる。
それは、ボクがコムスメばかりをだっこしているからだろう。
重くなってきたし、だっこするのが面倒な時が多いが、
「おひざ」同様、極力、ムスメの「だっこ」にも応えるようにしている。
「だっこ」といっても、ほんの数秒だ。
抱きかかえてニコっとすれば、満足して自分からおりていく。
今朝のムスメとのやりとりから、その「数秒」が本当に大切なのだと感じた。
そして、「だっこ」を通してムスメが「やさしさ」を感じてくれている事に感謝した。
変な話、こんな経験も、体調を崩して家にずっといなければ出来ない。
しんどいけれど、なんとありがたいことだろう。
色んなことには、意味があるのだと、改めて感じた金曜日の夜。
家事なんかしなきゃよかった
家なんてもっと汚くてよかった
洗たく物もためちゃえばよかった
食事なんか手作りすることなかった
あんなに抱っこして欲しがったのに
『毎日かあさん』作者、西原理恵子さんのこの言葉には、毎度ハッとさせられる。
今日も、ウツボクに来てくれてありがとうございます。
「幼い時期限定」の、貴重な親子間のコミュニケーション。