スピードが重視される時代に生きている。
大概の事は、早ければ早い方がいい。
もう、それがスタンダードだろう。
「3日で5キロ痩せる!」
「たった2週間でバキバキの腹筋に!」
「1ヶ月で100万稼ぐ方法、教えます!」
巷は、そんな広告で溢れている。
ボクも、スマホのゲームを色々やっているが、「課金」は、もはや「時間」を買っているのではないかと思う。
課金に充てるお金がないのが一番の理由だが、なんとなく抗いたい気持ちがあって、「ムカキン」という名前で、ゲームを楽しんでいる。
ゲームを進めていると、ものすごく課金したくなる瞬間があるし、実際に課金したこともある(妻がこの文章を読んでいませんように)
早く先に進みたいし、早く強くなりたくなるのだ。
カキーンと、一足飛びに。
仕事でも、スピードを求められるシーンは多々あると思う。
ほとんどの仕事は、多分、そうだろう。
電車が5分遅れただけでも、イラつく人は、イラつくだろうし。
よくよく考えると、我々は、スピード感のある日々を過ごしている。
自分が今、まったくそのコースを走っていないので、余計にそれが分かる。
しかしながら、当然、「スピード」では解決できない事が、世の中にはある。
そんなに多くないかもしれないけど、確かにある。
例えば、草花。
どんなに良い肥料を与えて、どんなに沢山の水をあげても、数分では芽は出ない。
草花のタイミングを、じっくり、じっくり待つ必要がある。
漬物や梅干しなどに至っては、むしろ、時間をかけなければならない。
「熟成」
「スピード」とは対極の言葉。
「モノ」も「ヒト」も、熟成するには時間がかかる。
特に、「ヒト」の成長は、そうだろう。
個人差もあるし、そもそも、早ければ良いというわけでもない。
課金して、一気にグーンと成長することも、残念ながら出来ない。
むしろ、あっちにウロウロ、こっちにウロウロしたり、つまずいてみたり、転んでみたり、道草食ってみたり、雨に打たれたり、風に吹かれたり、紆余曲折しながら、だんだんと人格が磨かれていく。
ひょっとすると、本当に、本当に大切なものは、時間をかけなければ手に入らないのかもしれない。
Polepole ni mwend
(ポレポレ 二 ムウェンド)
「ゆっくりは、帰って歩みが早い」
アフリカで使われている、スワヒリ語のことわざ。
今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。
ポレポレ、ぼちぼち行こう。