野球というスポーツは、冬になると、いわゆる「シーズンオフ」に入る。
他のスポーツは、冬も関係なしに試合が行われていたりするが、野球の場合、気温が低い中での実践的な練習や試合は、肘や肩への負担が大きい。
プロ野球選手が、シーズンオフに、グアムなど暖かい地域でトレーニングをするのは、そういう理由もあるだろう。
部活動も、もちろんシーズンオフに入る。
ただ、「ボールを投げない」というだけで、ウエイトトレーニング、走り込みと、むしろ、きっついシーズンオンに入る。
冬場は、自分が野球部であることを忘れるくらい、走って、走って、走り込む。
そして、ひたすらに筋肉を酷使していく。
もちろん、学校やチームによって練習内容やボリュームは違うが、大体、そんな感じの日々を皆過ごしていると思う。
強豪校の練習なんて、想像しただけで目まいがする。
時々、「こんなに走って、こんなに筋トレして、野球の上達に繋がんのかな…。」と疑問を持つ事があった。
というか、いつも思っていた。
冬よ、早く終われ、と。
この、ただ寒くて、辛くて、キツイだけの練習、なんとかならんのか。
しかし、明けない夜が無いように、どんな冬も、やがて春を迎える。
そして、数か月ぶりにボールを投げて気付く。バットを振って気付く。グラウンドを走って気付く。
「あれ、ちょっとだけパワーアップしてる?」
気のせいな場合もあるが、冬の蓄積は、着実に実を結ぶのだ。
なんだかよく分からないけど、言われるがまま、がむしゃらに走り込んで、筋トレをしていた、先が見えないシーズンは、時間をかけて報われる。
当座は、春を迎えている自分なんてものは想像しにくい。
その日の、目の前の練習をこなすので精一杯。
実生活でも、そんなような事がある。
今、何故、自分がこんな状況に置かれているのか。
こんな毎日に、何か意味はあるのか。
人生で、先が全く見えない「シーズン」を、きっと、誰しも経験をする。
でも、そういうシーズンは、思わぬ形で、必ず実を結ぶ。
必ず、必ず、実を結ぶ。
自分が想像しているよりも、遥かに豊かな実を結ぶ。
暗中模索の先には、光があるのだ。
なんかもう、完全に自分に言い聞かせているのだけど。
ボクは、そう信じている。
明けない夜は無い。
冬の後には、必ず春が来るのだ。
今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。
今となっては、全部がなつかしい思い出。