昨日は、ツマの誕生日であった。
自分がこんな状態であるので、プレゼントも買いに行けず、
気の利いたことは何も出来なかった。
日頃の感謝を伝え、もう少し時間をくれと頼んだ。
毎年、だいたいこのパターン。
いつかリアルタイムで祝いたい。
そして、実は、今日はコムスメの誕生日なのだ。
ツマの誕生日の翌日に産まれた。
今日で地球に来て1年。
あっという間だ。
コムスメが翌日に産まれたことによって、
ツマの誕生日は更に存在感を失いつつある。
いかんいかん。
ツマは「てづくり」を好む。
自分でつくるのも好きだろうし、「てづくりのもの」自体も好きなのだろう。
ボクも、「てづくり」が好きだ。
無精者なので自分でつくることは、ほとんどしないが。
ツマがこんなに自分でいろいろ作るとは、結婚するまで知らなかった。
「理想の夫もつくれる」旨の発言を結婚前に聞いた記憶がある。
ボクもまた、彼女の作品のひとつなのだろうか。
さておき。
ムスメが産まれてから、ツマは「うさぎのぬいぐるみ」を作ってあげた。
我が家では「ウサコ」と呼ばれている。
完成当時よりも、大分くたびれてきたが、
3年経っても何とか生きている。
ウサコは、ムスメの出生時と同じサイズで作られた。
時々、ウサコを手に取っては「こんなに小さかったんだなあ…」と感慨深くなる。
昨夜、ボクは変な時間に寝てしまい、夜中の3時頃に目を覚ました。
すると、ツマも同じタイミングで起きてきた。
いつもツマが、ムスメとコムスメを寝かしつけてくれているが、
両脇に湯たんぽがあるようなものなので、もれなくツマも一緒に眠ってしまう。
で、大体、夜中に目を覚ます。
最近は、そんなパターンだ。
ツマが、引き出しを開けて、縫い物セットを取り出した。
コムスメの誕生日に、ぬいぐるみをプレゼントしようとしていたのだ。
今日に間に合わせるために、夜中の3時から仕上げを始めた。
ろくすぽ祝われていない自分の誕生日の夜に。
なんだか、その姿が健気でならなかった。
「♪かーさんが よなべーをして てぶくーろあんでくれたー♪」
『母さんの歌』がボクの頭の中をこだましていた。
昔から知っていた歌だったが、昨夜ほど身近に感じたことはなかっただろう。
ああ、ツマも「母さん」なんだと感じた瞬間だった。
「母親の愛情」は、ボクが考えているよりも、ずっとずっと深いものだった。
自分もまた、そのように愛情を注いでもらったのだと思う。
そして、息子として歳を重ねた今も、
当時と同じように、母はボクのことを想ってくれているのだろう。
「おかあさん」
歳を重ねるごとに、その存在の大きさを噛み締めている。
世の中のおかあさんたち、どうかいつまでもお元気で。
いつもありがとう。
今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。
「くそばばあ」と言った思春期のあの日々。