ツマとムスメとウツボク

いきるってたいへん。でも、すばらしい。

避難とボク

みなさま、台風による被害は大丈夫でしたでしょうか?

 

ニュースを見ると、

被災された方、

怪我をされた方、

また、本当に残念なことに、

大切な命を落とされた方もいらっしゃる事を知りました。

 

ご遺族の方々の心痛が、少しでも和らげられるよう、

また、怪我をされた方々の一日も早い回復を、

未だ台風の驚異の中で不安な時間を過ごしている方々、

被災された方々の復興と平安を、心よりお祈り致します。

 

我が家も、我が家なりに台風から影響を受けた。

家が多摩川から比較的近い事から、昨日午前中の段階で、

地域によっては避難勧告が出ていた。

 

ツマと避難をするかどうか話し合い、

自分達の居住区は比較的安全な場所にあったこと、

また、アパートの3階に住んでいる為、

もう少し自宅で様子を見ようということになった。

 

しかし、しばらくしてからツマが、

「やっぱり避難所に行ってみたい」

と言い出した。

 

ツマは、防災に対する意識が高い。

おそらく独身の時からそうだったように思う。

 

防災バック、食糧貯蔵、

その他、普段から防災に関してアンテナを張っている。

 

ムスメたちが産まれ、今まで以上にその思いは強くなっているだろう。

 

ボクはというと、

もう情けないくらいに何も考えていない。

 

ツマがこれだけ日々準備をし、工夫をしてくれているのに、

まったく危機感がわいてこないのだ。

 

のんびり屋というか、

なんというか、もう、ちょっとアホである。

 

そんな残念な防災意識の自分を自覚しつつ、

今回の台風を迎えていた。

 

ツマが「やっぱり避難所に行ってみたい」と言い出したとき、

心の中では、

(えぇ~!?『行ってみたい』ってテーマパークやないんやで…。

ってか、さっき行かないって言うたやんか。)

と思いながら、

 

「なるほど、なるほど。そういう考えもあるよね。」

と平静を装った。

 

しかしながら、

www.tsuma-musume-boku.com

 ↑この記事でも書いたように、

台風の時は、そもそもウツのヤツがるんるんと活発になり、

もうボクは、ただただ、げんなりしているのである。

 

正直、避難所に行く気力と体力がボクにはなかった。

 

そのことをツマに正直に話すと、

もうそんな事はもちろん想定内で、

自分とムスメとコムスメの3人で行くと言い始めた。

 

ボクとしては、なんかもういろいろな点で納得がいかなかったが、

ツマが避難所に足を運ぼうとしている理由を聞いて、頭が下がった。

 

「今回、おそらく避難所に行かなくても大丈夫だと思う。

でも、今回みたいな時に避難所を見ておきたいし、

いざという時の為に、こどもたちと一緒に経験しておきたい。

そして、(あなたにも)伝えたい。」

 

こうして、ツマとムスメとコムスメは、

避難訓練寄りの『避難』に出かける事になった。

 

自宅を出る時は、もう既に雨がザーザーと降っていた。

 

カッパに身を包み、重い避難リュックにゴミ袋でカバーをし、

前には抱っこひもでコムスメ抱え、

ベビーカーにはポンチョを着せたムスメを乗せ、

降りしきる雨の中、ツマは避難所に出かけていった。

 

ツマの健気な後ろ姿を見つめながら、

申し訳ない気持ち、不甲斐ない気持ち、情けない気持ちで、

しばらくその場につっ立っていた。

 

家族と一緒に避難する事さえ出来ない自分を、

心の中で非難していた。

 

ボクは、いざという時、家族を守れるのだろうか…。

 

トボトボとアパートの階段を登り、自宅に入ると、

最近、ムスメが家に連れてきたカタツムリが、虫かごから出迎えてくれた。

 

「今日は2人で過ごそう…。」

 

ごろんと寝転がりながら、テレビの台風情報を眺めていた。

普段は騒がしい家の中は静まり返り、

風と雨の音が余計に大きく聞こえた。

 

なんともいえない夜を過ごした。

 

翌朝6時頃に、ツマたちは避難所から帰ってきた。

ツマも、流石に疲れた様子だったが、とても貴重な経験になったと、

避難所での経験をたくさん話してくれた。

 

ムスメとコムスメは、思いの外、落ち着いていたようだ。

むしろ、ムスメは『大おとまり大会』みたいに勘違いしており、

「ここ、たのしーね」とか言っていたらしい。

 

食事も、実際に非常食を食べてみたようだ。

アルファ米の、『わかめごはん』と『カレーごはん』は、

意外と美味しかったと教えてくれた。

 

特にムスメはカレーがお気に入りで、

「かれーたーべーたーいー」

を連呼していたそう。

 

一緒に経験出来たらよかったな、と思いながらも、

ツマが、とても良い選択をしてくれたことに感謝した。

 

ひと段落してから、みんなで朝食を食べた。

食べながら、ツマがムスメに、

 

「昨日、どこに行ったかパパにお話ししてあげたら?」

 

と尋ねると、ムスメがひとこと。

 

「かれーやさん」

 

今日も、「ウツボク」に来てくれてありがとうございます。

 

一日ぶりの風呂に「シャンプーが泡立たない泡立たない」と、わめいていたツマが泡立てていたものはクレンジングオイルでした。